■Amazon プライムビデオで色んな映画を観たよ
新型コロナウイルス関連のいわゆる自粛期間は映画館に行けないことだし、Amazonのプライムビデオを利用しまくって色んな作品を観ていた。
本放送当時は観ていなかった大人気の『鬼滅の刃』もプライムビデオでみることができ、見事にハマるなどサブスクサービスの恩恵にあずかっているが、映画も結構みている。
「こんな時だから」というノリで何の気なしにみる作品ばかりなのだが、とてもいい作品だなと感動した作品もたくさんあった。いや、むしろ 「こ、こいつぁすげえ映画だぜ!」と感動させられる映画もいくつもあったので、それらの感想を書いておきたい。
本当にいろんな映画を観たのだが、この記事の中ではとりあえずトム・クルーズが出ている映画のうちAmazon プライムビデオで観たものについて感想を書いておく。(ネタバレがあるので注意)
観るきっかけは特になかったのだが、今年の12月に続編が公開されるという『TOP GUN』(トップガン)がサジェストされていたのでそのまま再生してみた。
観る前のイメージでは、ただのトム・クルーズのイメージビデオなんじゃないかというイメージだったので、話のネタになるかなぁ、くらいの感覚で再生したが、思った以上に良い映画だった。結論だけ書くと、総評75点/100点。
■『TOP GUN』はトムのイメージビデオなのか?
映画の中の少なくとも30%以上は上述のイメージ通りのトム・クルーズのIVという要素の映像だったが、それを踏まえてもいい映画だったのが衝撃だった。
トムの笑顔は、80年代後半から90年代前半までの漫画やアニメでイケメンが笑う度にキラッと輝くあの光そのものだった。もちろん、『TOP GUN』の映像の中でそういったチャチな演出は皆無なのだが、観る人間の目にはあのキラッが見えるのだ。
それほどに当時のトム・クルーズは完璧にハンサムで爽やかでイケてる主人公を演じ切っており、主人公のマーベリックの無茶でパーフェクトなイケメン設定を説得力ある映像で見せ切っていたのだ。
トム・クルーズのイメージビデオでもあると同時に、役どころのマーベリックのイメージビデオでもあるという映像に仕上がったのはトム・クルーズのお芝居の実力と言っていい。
トム・クルーズのこの実力は、白ブリーフを履いていてもカッコよく決まってしまう映像をみればご納得いただけるのではないだろうか。
強いて弱点があるとすれば、完璧過ぎるがゆえに男の観衆からはいけ好かない奴だという印象を持たれてしまいかねないところだが、そういった醜い嫉妬もストーリー展開でちゃんと蓋ができる仕様になっているのだ。自分はそうだった。
■思っていたよりはるかに良かったストーリー
どこをとっても完璧なマーベリックも、自らの操縦中に起きた事故(ただし、彼の操縦ミスや過失が原因でないことは作中できっちり説明されている)で親友を失って自信を喪失してしまうが、そこから立ち直って天才パイロットとして復活するという終盤のクライマックスは説得力もしっかりと感じられ、気づいたときには、マーベリックがんばれ!!と応援してしまっていた。
親友の死という最大のダメージを受けたマーベリックは、自らには過失がないにもかかわらずどこまでも自分を責め、野性的な勘で戦闘機を自在に操縦する天才パイロットとしての自我を否定するに至っていたが、この自らを責める姿勢が徹底しており、周囲がどれだけフォローしても自らを許さない言動で、きっちりと地獄の業火で自らを炙っていた姿勢は、映画を観る者の心にきっちりと感情の波を作ったのではないだろうか。
そこから立ち直るに至るまでフォローしてくれた教官(上官?)に助言をもらって、即座にパイロットを辞めることまではせず、最後に自分を信じてソ連軍との空中戦に入る、というあたりはそれなりにストーリーの説得力があったのではないだろうか。
また、これは感傷的な観かたかもしれないが、最後のソ連軍との戦闘で、マーベリックは前を見つめ続けており、他のパイロットが背後を気にしながら飛んでいたのとは対照的だったし、何より、映画冒頭のソ連軍との遭遇シーンで(背後をとられたことなどはあったにせよ)マーベリック自身が後ろを振り返りつづけるシーンがあったこととも対照をなしていたのではないだろうか。
実際、マーベリックは完璧なイケメン天才パイロットでありながら、背景に父親の死を原因とした孤独を抱えているが、父の死の真相を知り、恋が成就することでそれらを乗り越えることになるので、そういった状況を暗に示していたともいえる。
■映像の良さ
ほかにこの映画の良い点は、映像のカッコよさである。トム・クルーズと、彼が演じるマーベリックがカッコいいのは前述のとおりだが、戦闘機F14が基地や航空母艦から出撃の準備をしているシーンから飛び回っているシーンまで、とにかく戦闘機の出てくる映像がカッコいいのだ。
光の使い方や戦闘機の形そのものがカッコいいという物理的な良さはもちろんだが、飛び回るシーンでは、戦闘機の壁一枚向こうは高度何千メートルで、敵機も飛び回る危険な大空なのだということも存分に伝わってくるので、そんなアブナイところでこんなにカッコいい戦闘機を自在に飛ばし回ってカッコいい!という心情が自然と湧き上がるようになっているあたりも良い仕掛けになっていた。
■長くなってしまった
『TOP GUN』は続編が2020年の12月に公開されるとのことだが、トム・クルーズなら本当に戦闘機を操縦するというスタントをやりかねないので、そういうところで命が危険にさらされないかが気になるが、そこは俺たちのパーフェクトトムを信じたい。
ちなみに、『TOP GUN』でマーベリックのスタントをした方は宇宙飛行士になったとのことだ。(ということは続編でもスタントの方が操縦するのかと安心できる気がするが、そこは俺たちのトムなので気は抜けない。)
https://front-row.jp/_ct/17361745
というか、本来は、この記事はトム・クルーズが出ている映画で、アマプラに出ているものの感想をざっくり書くつもりだったが、『TOP GUN』だけで異様に長くなってしまったので、他の作品は別の記事に書いておきたい。
『ミッションインポッシブル』シリーズを3作品、そして『KNIGHT AND DAY』について書く予定だ。